2015~2016年度

 

♪加藤旭君の『くじらぐも』

 

小児がんで闘病中でありながらも最期まで作曲活動を続けていた『加藤旭君』(享年16歳)のピアノ曲「くじらぐも」を旭君の手によって合唱曲版に編曲された作品を練習し、発表する事が出来ました。(2016年5月メイク・ア・ウィッシュ主催コンサート及び7月藤沢合唱祭にて)

現在この作品は「きらきら湘南」YOU TUBEにて公開しております。

彼の素晴らしい才能を多くの方々に知って頂き、そしてこの曲を今後沢山の合唱団に歌って頂く事が私達「きらきら湘南」の大きな夢です。


 

♪『風のかたち』

 

♪ 小児がんの未来を考える会「みらいっぽ」さんは、現在18歳の小児がん経験者の青年を中心に、小児がんの子供を持つお母さん、そして地域の支援団体で「小児がんの子供達が、生き生きと活動できる場所づくりの為に社会の理解を得たい」という目的で活動をされています。

今回「みらいっぽ」さんの初イベント「風のかたち」上映会で私達「きらきら湘南」は歌の映像で参加致します。

この映像に実はマスコットも参加するんです!

病気で入院また療養中であったり、犯罪や災害の被害にあい、遠くに出かけたくても、イベントに参加したくてもそれが出来ない方々の代わりに『本人となり参加するマスコット』です。

是非皆さんに沢山の応援を頂きたいと思っています。

 

私達はこの『マスコット活動』を応援しています!!


 ♪マスコットの旅とコミュニケーション・ノート

 

 ~病気や喪失を経験しても、人生にとって大切なイベントへの参加をあきらめないでほしいから~

 

私は、現代の医学では治すことのできない複数の病気をもちながら、車いすや薬を使って生活しています。

 制限はありながらも私なりに活動していたのですが、2014年に二度、同一犯による犯罪被害を経験し、抱える症状が増えました。

 また、犯罪被害による症状の治療やケアを受けるなどしている間に、私の被害直前にがんと診断された、家族のように扱ってくれていた大切な男性の病状が悪化し、一度も病院に面会にいけないままに永遠の別れに至ってしまいました。

 それだけでなく、犯罪被害経験ももちながら患者生活を送る私のこころの支えになれば、と友人が自身の会社に募金箱を設置してくれて、集まった募金で夢だった手記の出版を目指していたのですが、出版を目前にして出版社が倒産。友人の会社に寄せられた募金は戻ってきませんでした。善意で募金を寄せてくださった方々のお気持ちを思うと、どんなにつらくても、生涯、謝罪をつづけなければならないと考えています。

 大きな出来事のつづいた私は、様々な問題から、遠くにでかけることが難しくなりました。自分の人生にとって重要なイベントに参加することもできませんし、友人に会いにいくなどを目的にした旅行も、おそらくこの先ほとんどかないません。

 そこで、私の代わりに、好きなロックバンドのメンバーの方がデザインしたマスコットを、友人知人、それからボランティアの方に、私にとって重要なイベントや場所に連れていっていただき、私の代理でマスコットに、イベントなどに参加してもらうことにしました。

 マスコットと出会ってくださった人は、本来ならば、私が出会い、ご挨拶や自己紹介を交わし、大切な話やたわいもない話をした人といえるかもしれません。そんな人たちに今後、私自身がお会いできるとは限らないので、マスコットを連れていってくださる方には、あわせて「コミュニケーション・ノート」も持参し、私の代理のマスコットと出会ってくださった方々に、サインやメッセージ、感想、イラスト、ラクガキ、差し支えなければご連絡先など、何でも自由に書くなどしていただくことにしました。写真やシールを貼ったり、スタンプを押したりしてもらっても、例えば「今夜、食べたいもの」を記すなどしていただいても構わない、マスコットに出会ってくださった方々にとっての「自由帳」になれば、と考えています。

 初回は、柏市ボランティアセンターの職員の方々が、公的機関でおそらく制約もあるにもかかわらず柔軟に、ひとつの仕事として「マスコットの旅」を受け入れ、サポートしてくださいました。センターの職員の方々や登録ボランティアの方々は、準備の段階から、私の気持ちを最優先した丁寧であたたかい関わりを重ねてくださったので、旅がはじまる前からすでに、十分満たされた気持ちでいて、そのことも印象深く残っていることのひとつです。

 初めての“旅先”はライブだったのですが、当日は、私が参加したかのように感じられるように、ライブ開始前から終了後までの出来事や雰囲気などを事細かにノートに書き記していただいたおかげで、ノート開くと、その様子が浮かんできて、音楽やトーク、ファンの人の声が聞こえてくる感覚までもてました。また、ライブの記録だけでなく、私が会いたかったであろう人にマスコットをもってもらったり、見たかったであろうものの前にマスコットを置いたりするなどして記念写真を撮っていただくことで、実際に「会えた」ような感覚や「見た」ような感覚も、存分に味わうことができました。

 センターの職員の方々がコミュニケーション・ノートに寄せてくださったメッセージやイラストも含め、ノートのどのページを開いても、またどの写真を見ても、笑顔と涙と感謝の思いがあふれ、お礼の電話がなかなか入れられずに困ったほどでした。

 その4日後には、マスコットは、友人の結婚式に参加したのですが、新郎新婦や私を知る友人たちは、マスコットを私の代理の“参列者”として扱ってくれ、戻ってきたマスコットには、数えきれないほどの写真だけでなく、会場で配られたビンゴカードまで添えられていました。

 その後も、難病のこどもと家族に歌声を届ける「きらきら湘南」さんのイベントや、犯罪被害者支援イベントの全国大会などにマスコットとコミュニケーション・ノートを快く受け入れていただき、多くの人の優しさと柔軟性によって旅はつづけられています。

 私は、病気で入院や療養が必要だったり、犯罪被害や災害などによって喪失を経験したりしたこどもや大人にも、遠くにでかけられなくても、代理でマスコットにイベントに参加してもらうという選択肢があることを伝えたい思いをもっています。病気があっても、喪失を経験しても、「人生にとって大切なイベントへの参加」をあきらめてほしくないのです。たとえ自分が参加できなくても、あきらめて悲しかった思い出」ではなく、「あたたかい協力によって、マスコットに参加してもらった思い出」に変えることができれば、多少なりとも気持ちは和らぐのではないか、と私は感じています。

 感じ方は人それぞれですが、私の場合は、こころのこもったあたたかいサポートのおかげで、参加できなくなった悲しみや寂しさが、たくさんの人の愛情を注いでもらえた笑顔と涙と感謝があふれる一生の思い出へと変わり、今ではそれがこころの支えのひとつとなっています。

 もしよろしければ、私の「マスコットの旅」を、必要としているかもしれない方に話したり、取材してもらえそうなメディアがありましたら、紹介したりしていただけると、大変嬉しく思います。

 普段からかわいいマスコット(X JAPANのメンバー hideさんデザインの「サイコベアー」)ですが、旅から戻ってきた時、ますますかわいく見えるのがなんとも不思議です。

 最後に、初回のマスコットの旅をサポートしてくださった柏市ボランティアセンターの職員の方々へのお礼のメールから、一部を抜粋して紹介させていただきます。

 

<メールよりー>

(略)

 準備の段階からそうでしたが、マスコットとコミュニケーション・ノートが戻ってきて、笑顔と涙と感謝の気持ちがあふれてなりませんでした。

(略)

 準備段階や実現後のお電話やメール、コミュニケーション・ノートによっていただいたひとことひとことが、そして写真の一枚一枚が、大きな出来事のつづいた私にとっての生涯の宝物になりました。

(略)

 たくさんの方のあたたかいお気持ちのおかげで、様々な悲しく重い出来事が消えることはなくても、「これからは、今までとは違った形の幸せを感じながら歩んでいったりするのかな」と思うことができました。

 マスコットの旅は悲しい出来事の上になりたっていて、そのことも忘れずに、それでもいつも明るく気持ちよくサポートしていただけたことは、私にとって救いでした。

(略)

 この先、何かあった時には、コミュニケーション・ノートを広げてみようと思います。

(略)

 「どこを切り取ってもよい思い出」の旅をありがとうございました。

(略)

 コミュニケーション・ノートと写真、それからマスコットのおかげで、●●ちゃんのご両親、それから●●ちゃんに、しっかり「会う」ことができました。

マスコットの旅をサポートしてくださった方々、マスコットに出会ってくださった方々、遠くや近くから応援したり、見守ったりしてくださる方々、それからこの動画を視聴していただいた方々への感謝をこめて